今やSNSが普及し多くの方が不妊に悩み、苦しむ前日を目の当たりにする機会が増えてしまいました。
きっとこのページに来られた方々も同じように悩み苦しみ藁にも縋る思いがあることと思います。
少しでも記事を読んでくださり、少しでも希望が叶うよう記事を書き残そうと思いました。
それでは多くの人が気になる3つの項目から書いていきます。
①鍼灸は痛くないのか?副作用や感染のリスクはないのか?
鍼灸は、鍼の太さや刺入の深さ、刺激の強さなどを患者さんの体質や症状に合わせて調整することで、痛みを最小限に抑えることができます。
鍼などの施術に使われる多くの用品が使い捨てが多くなっており、私や周りの先生たちも鍼や消毒用品などを使用時にパッケージから出し、終われば自分で回収、そして滅菌をしてから業者に依頼し廃棄してもらう。
この様に安全には最大限配慮しています。また鍼灸師は国家資格を持ち、厳しい衛生管理のもとで鍼灸を行いますので副作用や感染のリスクはほとんどありません。
②鍼灸は不妊治療に本当に効果があるのか?科学的な根拠はあるのか?
鍼灸は不妊治療に効果があるという臨床的な報告や体験談が多くありますが科学的な根拠はまだ十分には確立されていません。
鍼灸の効果を測るための研究は①鍼灸の方法、②条件、③対象者や評価指標などによってバラつきがあり統一的な基準や規格がないため比較や分析が難しいからです。
しかし近年では鍼灸が不妊治療に及ぼす影響について、より厳密な研究が行われています。
例えば、以下のような研究結果が報告されています。(健康プラスやパウラス氏、ローレングリム氏のGETTING STRAIGHT TO THE POINT: DOES INDIVIDUALIZED PRE- AND POST-EMBRYO TRANSFER ACUPUNCTURE INCREASE PREGNANCY RATES?の論文などから一部抜粋しています)
- 着床率にフォーカスをあてたものだと「着床率が約15%上昇」
「統合医療と併用して体外受精(IVF)を行うハイブリッド方式では通常の
体外受精の時と比べ30%以上の差がある」 - 鍼灸が卵巣機能や卵胞の発育、排卵の調整に影響を与える可能性が示唆された研究。
- 鍼灸が子宮動脈の拍動指数を低下させ、子宮の血流動態に影響を及ぼすことが確認された研究。
- 移植前後に鍼灸を受けることで、妊娠率が2倍になったという研究。
これらの研究は、鍼灸が不妊治療に効果があるというエビデンスの一部ですが、まだ限定的で不十分なものです。
鍼灸の効果は個人差や体質、不妊の原因や症状、鍼灸の方法や頻度などによって変わる可能性があります。鍼灸は不妊治療の主な方法ではなく補助的な方法として考えるべきだと私は考えております。西洋医学的な不妊治療と東洋的な不妊治療を併用することで、より効果を高めることができると言われています。
鍼灸は不妊治療のサポートとして、そして全身調整の役割として重要視されている部分が多くあります。
③鍼灸はどのくらいの頻度や期間で行えばいいのか?費用はどのくらいかかるのか?
鍼灸の頻度や期間は、個人の体質や状態、不妊の原因や症状、不妊治療の進行度や方法などによって異なります。
一般的には、最初のうちは週に2回から3回、慣れてきたら月に4回程度、もしくは着床前後に3回、などが多いと思います。
鍼灸の効果はすぐに現れるというものではなく、徐々に身体に蓄積されていくというものです。継続して行うことで、より効果を感じることができます。鍼灸の期間は妊娠するまでという方もいれば、妊娠初期や中期、後期、産後までという方もいます。
鍼灸の費用は、鍼灸院や鍼灸師、治療内容や時間などによって異なります。
費用の目安としては、以下のようなものがあります。
- 背中のみの鍼灸:1回で1500円から3000円
- 着床前鍼灸:1セット4000円から7000円
- 全身の鍼灸:1回で4000円から7000円
- 鍼灸とマッサージのセット:1回で3000円から10000円
これらの費用は、あくまで参考程度のものです。鍼灸を受ける前には、必ず鍼灸院や鍼灸師に確認してください。
ツボの位置と効果について
それでは多くの先生が使われるツボについてです。
全部は書ききれませんので今回の記事においては3つの紹介とさせていただきます。
【腎兪(じんゆ)】腰骨から上に指2本分、背中の中央から指2本分外側にずらしたところにあります。腰のくびれの高さに位置します。
腎兪は、腎臓の機能を高め、生殖器やホルモンのバランスを整える効果があります。また疲れや冷えをとる効果もあります。腎兪にはお灸をするとより効果的です。
【次髎(じりょう)】お尻の中央に逆三角形の骨(仙骨)があり、その骨の中央から左右に2cmくらい離れたところ。押すとくぼみを感じる
次髎は、子宮や卵巣の働きを良くし、骨盤内の血液の流れを改善する効果があります。また、生理痛や便秘を改善する効果もあります。次髎には、お灸をするとより効果的です。
【三陰交(さんいんこう)】 三陰交は、足の内側のくるぶしの上から指四本分くらいのところにあります。ふくらはぎの筋肉の境目に沿っています。
三陰交は、血液の流れを整え、婦人科系の病気や不妊症に効果があるツボとして有名です。また、イライラや不眠を改善する効果もあります。三陰交には、お灸をするとより効果的です。
他にも【労宮(ろうきゅう)】【神闕(しんけつ)】【太渓(たいけい)】【解渓(かいけい)】【陰陵泉(いんりょうせん)】などが主要かと思います。ツボとは個に合わせ使いますので症状に合う場所を使うこととなるでしょう。
まとめ
- 鍼灸は不妊治療だけでなくストレスや不眠、生理痛などの症状にも効果があります。鍼灸を受けることで心身ともにリラックスし健康な体を作ることができます。
- 鍼灸は西洋医学の不妊治療と併用することで、より効果を高めることが期待できます。鍼灸は排卵誘発剤や人工授精、体外受精などの治療に対応し副作用を極力軽減し、妊娠率を向上させる目的とし使用することができます 。
- 鍼灸は不妊治療に挑戦するあなたを全力でサポートします。鍼灸師はあなたの体や心の状態を丁寧に診断し、最適な治療計画を立て、経過とともに今の自分に合う施術をしてくれます。また個々の不安や悩みにも耳を傾け、励ましやアドバイスをしてくれます。
そして記事の最後となりますが覚えておいてほしいことがあります。
この記事を読もうと思うほど真剣に悩み、時に苦しみ過ごされていたことでしょう。
まずはそんな自分自身を褒め、そして1度でも多く笑い、天からの授かりをご自身の身体に宿してほしいと思っております。
笑う門には福来る
まずは頑張っている自分を認めることから始めてみましょう。
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